卵巣破裂当日~B病院にて(2)
今年の6月に卵巣破裂→緊急搬送→摘出手術。その体験を書いています。
《前回》 「卵巣破裂当日~B病院にて(1)」
前回の続きです。
午前9時、婦人科の診療開始時間となりました。
すでに私の前に5名の方が待たれていたので、順番がくるまで、のんびり待っていようと思っていました。
ところが、看護師さんが1番最初に呼んだのは、私の名前でした。
明け方、痛みで苦しむ私に代わり、B病院に電話をかけてくれた夫。
その電話のことが事務員さんから先生に伝わり、緊急性があるとして、1番に診てもらえることになったようでした。
後から来たのに順番すっ飛ばしてお先にどうもすみません…
そう心でペコペコ詫びながら、先着5名様の前を通って診察室に入ろうとした時、看護師さんに声をかけられました。
言われるがまま検査室に入って待っていると、C先生が真剣な顔をして入ってきました。
「ウッチ―さん、今朝、強い痛みがあったんだってね。まずお腹からのエコーで、確認させてもらうね」
先生はお腹の上からエコーをあててきました。
黙ってモニターを見つめる先生と私。
C先生はモニターを見ながら
「あー…右の卵巣が…」とつぶやいて、
しばらくグリグリと動かした後、
画面を見たまま、静かに言いました。
「 ウッチ―さん、
右の卵巣が見当たりません 」
見当たらないって…
どういうこと?
ポカンとした顔の私にかまわず、C先生は話を続けます。
「この部分、黒くモヤモヤしたものが映っているのが見える?これは卵巣の中にたまっていた血液だと思います」
C先生は、私の顔を見て言いました。
先生の言葉と、モニターに漂う黒いモヤが、
私の意識に覆い被さっていきました。
次回、「B病院にて(3)」に続きます。
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