卵巣摘出手術(5)
2020年6月に卵巣破裂→緊急搬送→摘出手術。その体験を書いています。
《前回》 「卵巣摘出手術(4)」
前回の続きです。
気がつくと病室のベッドに横たえられていました。
ベッドに移された記憶なし。
点滴から鎮痛薬を入れてくれたようで、
お腹の痛みはあまり感じなくなっていました。
ノドの痛みもありませんでした。
全身麻酔から覚めた後、ノドが痛くなるかもしれないと言われていましたが、私のノドは大丈夫でした。
看護師さんが布団をかけようとしてくれましたが、
「すみません…暑いので…」
と言って断りました。
体がホカホカしていました。
全身麻酔から覚めた後、震える程寒くなる人がいるそうですが、
私は反対に暑かったです。
看護師さん達が、
「ウッチーさん、暑いって言ってるよ」
「そこにあるバスタオルをかけよう」
と話している声が聞こえました。
手術を終えた私の体は、おそらく総力をあげて機能を回復させる為にがんばっている。
このホコホコも、きっとがんばっている証だろうと思いました。
私の体は、私の意識があろうとなかろうと、生きる為に黙々と回復に努めているのだ。
体の中は今、とんでもなく大忙しなんだろう。
大忙しの私の体に反し、私の意識は遠ざかっていきました。
そしてまた、眠りに落ちました。
再び目が覚めた時、病室内は暗くなっていました。
静かな病室内に、プシュー…プシュー…という音。
足に、血栓防止の為のフットポンプが巻かれて作動していました。
帝王切開の手術後にも、フットポンプはつけられていました。
あの頃の物より、大きさがコンパクトになってるような気がする。
音も、だいぶ小さくなっているような…
しばらくすると、看護師さんが点滴の交換にやってきました。
私が起きていることに気がつくと、看護師さんは何かを渡して言いました。
息子と娘を帝王切開で出産した時は、
痛み止めの薬を8時間おきに入れてもらっていました。
これは、便利だなぁ。
8時間おきとか考えなくていいし、
痛みに我慢しなくていいし、
毎度ナースコールで座薬をお願いしなくてもいいんだ。
2人目を出産してから14年。
手動で鎮痛薬が追加される時代になっていたとは。
痛くなってきたら、遠慮なく押そう。
医療の日進月歩を感じながら、
そのありがたいスイッチをずっと握っていました。
次回に続く。
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「おまけ通信」
手動で鎮痛薬を追加できるとは、なんとありがたいと思いました。
PCAポンプというものらしいです。
手動で追加といっても、薬が入りすぎる心配はないようです。
すごいなぁ。
フットポンプのプシュー…の音、
私はダースベイダーの呼吸音に似ていると思っていました。
帝王切開の術後も、フットポンプの音を聞きながら、ああ、ダースベイダーっぽいと思っていました。
私だけかしら。
ここまでお読みくださり
ありがとうございました。
内野うめこ
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