卵巣破裂当日~D病院にて(3)
今年の6月に卵巣破裂→緊急搬送→摘出手術。その体験を書いています。
《前回》 「卵巣破裂当日~D病院にて(2)」
前回の続きです。
B病院から付き添ってくれていた助産師さんと別れた後、
私はD病院の看護師さんに採血をしてもらいました。
採血が終わると、問診。
診察室まで看護師さんが車椅子を押してくれました。
「よろしくお願いします」
そう言いながら診察室に入ると、
じっと机の上のモニターを見ている
先生の姿が見えました。
モニターに映っているのは、B病院で撮った、
卵巣が破裂する前の私のMRIの画像。
先生は、無言のまま軽く私に会釈をして、
またすぐにモニターを見つめました。
目の前にいるのは、若い女の先生。
先生は、とても可愛らしい顔立ちをされていました。
この先生のことを、D先生と呼ぶことにします。
D先生はモニターから目を離し、
「痛みはどうですか?」
と聞いてきました。
「今は、痛み止めが効いているせいか、だいぶ落ちついています。
でも、お腹に力を入れると痛みます」
D先生は静かに頷いてから、質問を続けました。
1番痛い状態というのは、
アレか。
アレだ。
アレを10とするなら
今の痛みは…
慌てて脳内で痛みの10段階を表にしてみる。
産婦人科外来の診療待ちの人達を思うと、
質問には早く答えないと、と思い
気持ちが焦る。
1ではないし2でもない。
今に限って言えば、3かもしれない。
うん、今は3。
でもお腹に力が入ると7まで上がる気がする。
じゃあ、3から1段階あげて、
D先生に聞き返されて、とっさに1段階あげた私。(無意識)
先生は4でも5でもどっちでも良かったのか、
もう痛みの段階には触れず、質問を続けました。
「吐き気はありますか?」
ここでもまた、吐き気の有無を聞かれました。
やはり、 卵巣破裂に吐き気はセットのよう。
その後、
破裂した時間、
飲んだ痛み止めの種類と服用時間、
食事の有無、食事内容と量、
食事時間などを聞かれました。
「では、卵巣の状態を確認したいので、
検査室に入ってください」
先生にそう言われ、
看護師さんは車椅子を押し、
私は検査室に入りました。
この日、2度目の検査台。
B病院と同じ、ピンク色の検査台。
「ピンクって やさしい色なんだな」
そんなことを思いながら、
車椅子からゆっくり立ち上がりました。
次回、「D病院にて(4)」に続く。
----------- これまでのお話(数字をクリック)--------
・卵巣破裂前日までのお話 全21話
・破裂当日~B病院にて 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
--------------------------------------------------------
「おまけ通信」
今回、D先生を描くのが、とても楽しかったです。
少女漫画っぽい絵を描くのは、もうかれこれ…25年以上ぶりじゃなかろうか…
いくつになっても、女の子や女の人を描くのは楽しいものなのだな、と思いました。
楽しくって、バックに花を散らしてしまいました。
ここまでお読みくださり、
ありがとうございました。
内野 うめこ